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「……まあ、必要最低限の礼儀はなっているようだな」
すっ、とクローディアの両肩に手が載せられる。
「己が気づかない間に背後に立たれれば、それは殺されてもおかしくはない。だから、許可がなければ喋らない。魔女のあばずれどもはその辺りが軽い部分があったから、これは好ましいな。比較的」
くすくすと笑い声が響く。
「名はなんという。魔女」
「クローディアと申します」
「年齢は」
「今年で三百七十二を数えます」
「……三百七十二歳、黒髪金瞳で名はクローディア、か」
「…………」
再び笑い声が響き、クローディアの首に腕が回された。
白いシャツを着た、白い手。
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