カミナリ

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父は公務員で、世間のイメージ通り頭が固い。 母は近所の惣菜屋へパートに出ている。 兄が一人いるが、今は都会で一人暮らしをしている。 四つ年上で優しい兄貴だ。 そういう訳で、大抵昼間は僕一人きり。 よれよれのTシャツ。 寝癖の付いた頭を掻きながら、二階の部屋を出た。 ミシッ、ミシッ、と鳴る階段を降りて行く。 狭い廊下を歩き、そのまま台所へ向かった。 冷蔵庫を開け、アイスコーヒーのペットボトルを取り出す。
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