序章 終結と始動

11/20
前へ
/193ページ
次へ
こちらに手招きするのはリーダーだ。 燃えるような赤い髪。獣のような、牙のような歯。 それがリーダー、ウェナビサさんだ。 いつも半裸で、服を着ていても肩を出す服装をしている。 こんな身なりだが獣族ではない。指示されるまま、テーブルに近づく俺。 リーダーの隣に立つ、銀縁眼鏡の男が俺に話し掛ける。 「話は聞いたかい?」 ……話? この銀縁眼鏡の男……メジウスさんに繋がる情報は聞いていない。 「何も聞いてませんけど……」 すると、肩まである黒い髪を微かに揺らしながら、静かに笑い出す。 「そりゃそうだ。まだ話してないし」 ちょっとイラっとした。 この人、有名な学校から出た人だ。ここでは作戦構成の役割を持っている。 「お、来たか」 入口を見て、リーダーが呟く。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加