序章 終結と始動

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木の軋む音と共に、扉が開く。 姿を現したのはロゼインカーズ。長いから皆、ロゼインって呼んでる。 一言で言うと、かっこいい。 目鼻立ちはくっきりしてるし、黒茶のボサボサ頭が彼の格好の良さを引き立てる。そして暗い紫の眼も、顔にぴったりだ。 無愛想なのが玉に傷だが。 「何の用だ?」 そんな彼が、リーダーに向かってそう聞いた。 リーダーは頭を掻きながらこう答える。 「仕事説明、及び作戦会議だ」 仕事……説明? 作戦、会議? 衝動で質問をしようとすると、先にロゼインが口を開く。 「仕事? また何かするのか?」 「はっはっはっ。笑わせるな」 ロゼインの発言に対し、リーダーは盛大に笑う。 爆笑、いや違う。 何か別の、楽しげな笑い方だ。 「いいか? ロゼイン。ここは組織。組織ってのは何かを志す人達の集まりで、同じ目標を持っている。同時に、目標を達成するために協力するグループでもある」 「……で」 リーダーが一通り話を終えるとロゼインが無表情で短く返した。 多分、話を聞いていないかどうでもいいと思っているのだろう。 さっきのルーチさんに対しての俺と一緒だ。……違うのは態度だけだ。
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