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終戦から7年。
戦争は終わったはずなのに、俺の住んでた村に攻撃が来ていた。
半壊した住宅。煙の絶えない路上。
木でできた家は簡単に燃え、簡単に壊される。
それはまるで戦場。いや、紛れも無くここは戦場だ。
正しく言えば戦場……だった。
これは魔物による残党狩りか?
俺の目の前には、鋭い木の枝を持った豚のような化け物。背丈は当時の俺の二倍だ。
名前はわからないが、魔物だというのはわかる。
俺は緑の髪を揺らし、神経を集中させる。
対して相手は、枝を槍のように構えて突進を始めた。
待て……もう少し待て。
今だ!
全身全霊で魔力を解き放つ。開放感が俺を襲い、爽やかな感覚が全身に行き渡る。
両腕を相手に向け、風の塊を放った。
風の塊は広がり、相手と同じ大きさでぶつかる。
計算して放てば、無駄なく相手に攻撃できる。だいぶ前から知っていた事だ。
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