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俺は、どぎまぎとしながら頭に浮かんだ事を答えた。
「相手を倒す高火力の魔法、または複雑な魔法を放つには多くの魔力が必要不可欠であるからです」
答えを聞いたルーチさんが腕を組み、数回うなずく。正解かな。
「大体はあっとるぞ。70点くらいかの」
自信満々だった俺を笑うかのように、風で木々が揺れた。ルーチさんの髪が風に煽られる。
俺の自慢の緑の髪も微かに揺れていた。
「戦闘の要は魔防膜『オーラ』。オーラを張ることで、あらゆる攻撃、危険から身を守れる。オーラを維持するには魔力が必要だ。そして、攻撃を受ける度に魔力を消費する」
また出たよ。長い長い説明。
ルーチさんは一息置いて、また語り出す。
「相手の攻撃から自分の身を守り、相手の守りを魔法で崩す。魔力は多い方が勝ちだ。技術がなくとも……な」
その間、ずっとルーチさんの目を見ていた。この説明は大分前から飽きているからだ。
今のルーチさん、何故か悲しそうな目をしてた。
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