忌まわしき過去

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フレイン「ゼルはどんな風に言ってたの?」 パルス「難しくてよく分かんなかったけど、なんか『怪しい』ってさ」 フレイン「ふーん……」 ペルム「とにかく!今日はゼンドくんの誕生日なの!祝ってあげるの!」 パルス「へいへい……」 所変わって、さっきから名前が出ているゼルの家。 ゼル「ふむ……」 ゼルは青い髪の少年。フレインと同じく、8歳です。その割には言葉遣いがじじくさいとよく言われます。 ゼル「おーい!出来たぞー、フィリ!」 フィリ「はーい」 フィリはゼンドの双子の妹です。面は結構似ているものの、性格はまるで違いました。 そんなフィリは同じく青い髪。背格好はゼルと同じくらいです。 二人には親がいません。早くに他界したのです。それ以降、二人だけで生活しています。 ゼル「俺の料理に舌鼓を打つがいい」 フィリ「……臭みが消えてない。ちゃんと魚の臭み消さないと、おいしくないよ」 ゼル「な、なに……!」 フィリ「あー、もういいよ。やっぱり明日からもボクが作る。お兄ちゃんは無理に料理しなくていいよ」 ゼル「しかしだな……」 フィリ「あのね、こんな変なの作られたら、普通は止めるよ」 ゼル「変なのとはなんだ!これなんか自信作なんだぞ!」 フィリ「……スープ?」 ゼル「そうだ。このスープは自信作だ」 フィリ「……とても飲めたもんじゃないよ。だってマグマじゃん」 ゼル「…………」 フィリ「今もこれなんか震えてんだよね。怖いんだけど。なに入れたん?」 ゼル「……森で仕留めた獣、適当にぶち込んだ」 フィリ「考えよ?もっと考えよ?ね?」 ゼル「ああ……すまん」 その時、ドアをノックする音。 フィリ「はーい」 がちゃ フィリ「あ、フレイン」 フレイン「やっ。これからゼンドの誕生会をやるんだ。それで誘いに来たよ」 フィリ「あ、うん。……お兄ちゃんはどうする?」 ゼル「……一応、行っておくか」
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