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フレイン「あ、そういえばゼル、ゼンドに思うところあるんだってパルスから聞いたんだけど」
ゼル「うむ。それは歩きながら話そう」
ゼル「俺は昔から、他人の目を見て、その人物がどういうものかが分かる力を持っている」
フレイン「そんな白眼みたいな……」
フィリ「ホントだよ。服も透けて見えるんだから」
フレイン「嘘だー。そんなの初めて聞いたよ?」
ゼル「訊かれなかったからな。言う意味もないだろうと思ったんだ」
フィリ「なんせお兄ちゃんはその力を使って女の子の服を透視して中をまじまじと見る事を一日の楽しみにしていたぐらいだからね」
ゼル「違うわ!」
フレイン「ゼル……。信じていたのに……!」
ゼル「お前も信じるな!」
フレイン「ジョークジョーク。フレインジョークよ」
ゼル「……まあ、それならいいが」
フィリ「それでさ、お兄ちゃんはゼンドの目になにを見たの?」
ゼル「黒い……黒い、なにかだ。その周りを純粋な白が覆っていた」
フレイン「なにそれ?」
ゼル「まるで内になにかを飼っているような……そんな感覚だ。だから、怪しい」
フレイン「……ゼルの話はやっぱり難しいなぁ。僕の勉強不足でもあるけど」
ゼル「なに、俺達はまだ子供。無限の可能性がある。今はまだ分からなくても、いずれ分かる時がくるさ」
フィリ「時折、お兄ちゃんがじじいに見えるよ」
フレイン「本当に。ゼル、お前いくつだよ」
ゼル「8ちゃい」
フレイン「急に子供ぶるな!」
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