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ゼンドの家は村外れにあります。そこがいいとゼンドが言ったからです。
ゼンドには両親がいません。彼はいつも一人で生活しています。たまにペルムやフレインが家に誘って寝食を共にするぐらいです。
フレイン「ゼンドの家ってあんまり来た事ないんだよなぁ」
ゼル「俺もだ」
フィリ「ボクもだ」
パルス「でもこの中で一番ゼンドん家に来た事があるのは」
ペルム「わたしだ」
パルス「お前だったのか」
フレイン「やあ。パルス、ペルム」
パルス「見事、合流というわけだ」
ゼル「どこが見事だ?」
パルス「見事だ。意味はよく分かんねーけど」
ゼル「脳筋め」
パルス「のーきんってなんだよ?」
ゼル「もういい……」
ペルムが家のドアをノックしました。
ペルム「ゼンドー。ゼンドー、いるー?」
しかし、返事はありませんでした。
フレイン「いないんじゃない?」
フィリ「外に出かけちゃったのかな?」
ゼル「うむ……」
パルス「どーした?」
ゼル「どうにも嫌な予感がする。なにか……起こりそうな――」
その時、村から爆発音がしました。
次いで怒号、大歓声、悲鳴。なにかあった事は間違いありません。
フレイン「な、なんだ!?」
ペルム「村でなにかあったんだよ!行こう!」
ゼル「待て!俺達が行ってどうする!」
パルス「なに言ってんだよ!」
ゼル「村になにかあったのは一目瞭然。だが、なにがあったのかは分からない。どんな状況なのかも分からないんだ。山賊だったら?魔物だったら?俺達になにが出来る?まだ十にも満たない子供だぞ」
パルス「うるせえよ!お前の言ってる事は意味分かんねーんだよ!」
パルスは村に向かって駆け出しました。
ペルム「お兄ちゃん!」
ゼル「ちっ、あの脳筋!フレイン、俺はパルスを連れ戻す。二人を頼んだぞ」
フレイン「……分かった」
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