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オレンジ色には染まらずに
照りゆく陽を眺めてく
長い長い日中を望んで
僕は一人佇んでいた
「明日は明日の風が吹く」
いつかの君はそう言い出した
なら今日は一体なにが起きるの?
僕は君に聞きました
「今日は昨日の明日なんだから
今日は風が吹くんだよ」
じゃあいつでも風が吹くんだろう
わざわざ言うことないじゃないか
「違うのよ、そうじゃない
いつもあるから特別なの」
じゃあ生きてることも特別だろう
それもそうだねって笑われた
明日、未来、過去が結実
世界が躍る
ある真夏の出来事
くだらない与太話
意味はないけどただ楽しい
そんな一日
「誰がために人は生きて
そして死んでいくのかな」
いや、聞かれてもわからないよ
僕は哲学者じゃないんだ
「なら私のために哲学してよ」
無茶苦茶いうなよわがままだ
でも僕は君を実は好きだから
嫌われたくなくて答えました
「人は誰かのために生きている
自分じゃなくて愛のため
少なくとも僕はそうだよ
誰かがいないと生きられない」
「よし、八十点だけど気に入った!
ご褒美あげるね」って君が近付いて
夕日、重なり、君が誘惑
世界が巡る
ある真夏の出来事
ありふれた恋物語
だけどずっと心に残したい
特別な一日
出会いは別れ 表裏一体
だから始まりは終わりで
それは僕にも等しく訪れた
夢は現実の裏返し
錆び付いた過去はだけど色褪せず
鮮やかに未だ目の前に映る
神様、世界を変えさせておくれよ
零した想いを拾いたいんだ
ある真夏の出来事
それはもう懐かしい物語
ずっと前の君と僕
楽園の足跡
ある真夏の出来事
それはもう終わった物語
過去に縋った僕の眼に最後に
映りこんだのは――
~世界を繋ぐのは絆なんだ
僕らは人に紡がれて出来ている
だから糸がほつれたら
自分の手じゃ戻せないっていうのに~
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