ゆめ

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あの日、私は貴方と初めて出逢う。 運命と呼ぶに相応しい――必然。必然と呼ぶに相応しい――運命。確かなのは、貴方と出逢えたという喜びと現実。ただ、それだけの事 夕刻を知らせる烏の鳴き声は辺りに響き渡り、号令と共に騒がしくなる教室の一室。小さな欠伸とズレた眼鏡を押し上げ、三浦雨竜は携帯の時刻を見据えた。今朝の特売チラシの時刻は優位に過ぎ去る現実に溜め息を漏らしては、今夜の夕飯を簡単に済ます方法を考える。一人暮らしとは云えど、育ち盛りの一般青年――腹を空かせては、戦は出来ぬと伝えられる言い伝えには少なからず共感を覚えた様子だった。最近は、目立った事件も特にはなくその原因とも呼べる相手を盗み見ては視線を感じた様子に慌て逸らす。不思議そうな顔を此方に向けては、何かを思い付いた様子の顔が此方に出向き――影となる形に見上げたのは、平和の原因である彼、高田翔大と市井留衣が姿を見せた。
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