1206人が本棚に入れています
本棚に追加
「……陽菜?」
大丈夫、気付かれてるわけない。
なぜ声をかけてくる。
ぎゅっと目を瞑り、ひたすら寝ることに意識を集中した。
いつもはギネス記録並みに早く寝られるのに、どうしてこういうときに限って睡魔がやってこないんだろう。
灰皿にタバコを押しつける音がして、ベッドが軋んだ。
不意に髪を撫でられて体がピクッと反応してしまう。
「起きてるんだったら返事しなさい」
耳元で囁く、低めの掠れた声。
最初のコメントを投稿しよう!