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「こっち……、向きませんか?」
「嫌です」
……酷い。
さっきまでは寝かせない気だったのに。
いつもながらにこの理不尽さ。
仕方なく、自分から腕の中に潜り込んでみる。
ダブルなのに全然活用してない。
「この……犬め……」
犬だろうが何だろうが気にしない。
ない頭で色々考えるからおかしなことになるんだ。
聞こえないフリをして大きな体に手を回す。
寂しけりゃ、こっちが行けばいい。
ずっと今までそうだったんだし。
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