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出来て数年しか経たないらしいこの校舎は、どこもかしこも真っ白で最新設備があちらこちらに見うけられる。
壬水野(みずのえ みずの)はそんな校内を一人うろつき回っていた。
水野としてではなく、才崎和真(さいざき かずま)という一生徒として。
壬製作としてでなく、一般的な人間として。
昼休みに入って間もなく自教室を出た。
これといった目的があったわけではない。
いつものほんの気まぐれというやつだった。
というか、水野は気まぐれでしか行動しない。
これといった目的も目標ももたない。
ふと気がつけば知らない場所にいたなんてことは数え切れないほどである。
数えようなどとは微塵も思わないが。
それこそ気まぐれでも起きない限り。
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