(おどる)

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なかなか死なない男を、どう蹴散らそうかと思案してみる。 文字通り、先程のように蹴りを喰らわせたっていいのだが、何せ左脚が負傷中である。 自業自得と言えばそれまでだが、負傷しているので立ちたくないわけで。 「そうか、別に直接狙う必要はないんや。それに、やるならとことんだよな、それこそ細胞単位以下で」 男はゆらんゆらんと奇怪な動きで揺れているだけで、それ以上にもそれ以下にも変化はない。 何故かはわからないが、出血が殆ど見られない。 切断面ははっきりと見えているのにだ。 一体どのような生態をしているのか、不可解である。 .
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