(おどる)

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開いたままの視界の中に、男のあられもない姿が繰り広げられていく。 手足は数十ヶ所が折れ曲がり、皮膚を突き破った白骨が挨拶をしてくる。 腰部を中心に五回転ほどしたところで、肉がひしゃげる音を響かせながら、上部が床に転げ落ちてしまう。 連動するように、手足に新たに形成された数え切れないほどの関節も同様に契れ散っていく。 当然のことながら、バランスをとれなくなった下部は、一点の緋も許さないとばかりに、黒々と変色していく血溜まりに沈む。 それでもなお止まらない。 遺伝子からの殺害が望みだ。 形など元からないも同然になるまで、殺人は終わらないだろう。 .
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