1309人が本棚に入れています
本棚に追加
/478ページ
少女は笑みを浮かべた。
今の無意味な会話にそのような要素は何一つなかったはずだが。
「神代代亜っていいます。今から私は貴方について行くことにしました」
「オマエ何言って───」
「切り替えって大事ですよ? 私は今この時から割り切ることを決意しました。昨日までの私は死に、今日から新しい私として生きていくんです。貴方が誰で何者かなんて、私には何の弊害にもなりません。ふふっ、惚れた以上、私はとことん何処までもついていきますよぉ」
これが一つの始まりで終わり。
何も始まってなどいなかったし、何も終わってなどいなかった。
これが用意された一つの部品に過ぎないことを、水野はまだ知らない。
.
最初のコメントを投稿しよう!