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人殺しのくせに、なんて思われればそれまでだし、事実に代わりはないのだから反論する気もない。
日常的で平凡に溢れた世界を乱すのもやはり自分達なのだ、と朧げながらも掴んではいる。
しかし、安心感を抱いていることも変えようのない事実だ。
加虐思考が強まる一方で、その中に紛れ、居場所を見つけようとしている自身を嘲るしかない。
馬鹿らしい。
「才崎、当てられているのがわからないのか」
癇に障る声が思考を妨げる。
そういえばそんな名前だったか、とまるで他人事だ。
微かに舌打ちをし、無言で立ち上がる。
椅子が床と擦れ合い鈍い音を立てると、全体の視線が一斉に水野へと向けられた。
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