(うたう)

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「才崎、ここの問題を解いてみせろ」 いくつもの数列が並ぶボードを背に、してやったりな表情をした中年の男性教師。 男性教師が指す問題は五題とも、あからさまに中学までの知識で解けるのものではなかったが、 「×××××、××、××××、」 そんなふうに、ぱっと見ただけでメモをしたりもせず、解答だけを口頭で述べていく。 男性教師は顔を引き攣らせ、教室中がざわつく。 進学校ではないので、すでに高校や大学の問題を教えているということは決してない。 「……以上ですが」 そしてまた席に着く。 .
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