(うたう)

12/145
前へ
/478ページ
次へ
そんなことを何処か遠い昔に、朧げに聞いた気がする。 曖昧で不確かなそれを。 「才崎君、」 そんな声も無視をする。 呼びかけられて対応することなどない。 誰とも係わり合いを持ちたくなかった。 大体は無視を決め込めば自然と離れて行く。 悪評が付こうがどうしようが知ったことじゃあない。 今回も例外ではないと疑いの余地もなく思っていた。 悪印象を受け、二度と近寄ってくることなどない、今までと同じだと。 .
/478ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1309人が本棚に入れています
本棚に追加