(うたう)

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水野は席を立つ。 相手が離れていかないのならば、自ら動けばいいだけの話。 「あっ! ちょっと、何処行くのさ!」 そんな声が聞こえたが聞く耳持たずで、早足に教室を出た。 その際に、何故か出来ていた人だかりが何も言わずとも道を空けてくれた。 これが普通。 女が後を追ってくる様子はなかったが、歩く速度を緩めることなく目的地へと足を進めた。 誰にも干渉されないために。 ×× × サボり場所の定番と言っても良いのではないだろうか。 立入禁止の屋上。 出入口はパスワード入力式の鍵が掛けられているが、そんなことはお構いなしだ。 .
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