(うたう)

16/145
前へ
/478ページ
次へ
アルファベットと数字の羅列にすぎないものの解除に三十秒もかけない。 ご丁寧なことに、毎回組み合わせも入力字数も変更されているが、それこそ関係ない。 そういったものには、自然と設定者の性質や特徴が反映されてしまうのだから。 何度も解除しているうちに、必然的に法則性は見つかってしまった。 屋上の管理者には悪いが、所詮意味はないのである。 機械による施錠を導入するほどまでに、この学校のセキュリティーが厳しかろうとだ。 正確には、水野のせいで強化せざるを選なかったわけだ。 始めは鍵穴に鍵を差し込むだけの至って普通の鍵だったのだから。 警備会社まで絡んでくるとさすがに面倒だが、まだその心配はなさそうだった。 そこまでして屋上を閉鎖したがる理由は、正直なところ知らなかったりする。 .
/478ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1309人が本棚に入れています
本棚に追加