(うたう)

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「兄貴も馬鹿だから良いんだよ。学力だとか知力だとかでいう馬鹿とは違うんやけど。寧ろそっちは秀でてやがるからな、兄貴のくせに。なんつーか、やってることが馬鹿らしい」 「馬鹿と馬鹿らしいは別物だと、私は考えますけれどねぇ。そのものと比喩は結局のところ、指している対象は全くの別物なのですっ」 「そんなことはどうでもいい。オマエの持論なんか聞いてどうするんや」 「自己チューですねぇ。人の意見に左右されないというより、人の意見をあてにしてない、信用してないってところでしょうかねぇ」 「……うるせぇな。話そらしてんじゃねえよ、馬鹿」 「まっ、そんな所も含めて、私は大好きなんですけどねぇ」 .
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