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すると、小さくではあったが、物音が響いた。
二人は直ぐ様それに気づき、物音がした方を振り向く。不確かではあったが、何者かがこちらへと近付いて来ている。
「……来たよ」
「あぁ……」
二人は小さな声で呟きながら言い合い、体を低くし、近づいてくる「何か」に備えた。
そして屋根に着地した振動が、二人の体に伝わってきた、その時。
「にゃあー」
「!?」
向かいにいつの間にか居た猫の声に気を取られてしまう。
気付くと「何か」は凄いスピードでこちらに目も向けず、二人を追い抜かしていた。
「まだ追い付ける! 行こう! グロー!」
「あ、あぁ!」
二人は、前を疾走する「何か」の影を直ぐ様追った。
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