四話「怪盗」

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「――へぇ。貴方達凄いわね……アタシに追いつくなんて」  乱れていた呼吸を整え、顔をあげた怪盗エリアの姿に、二人は驚く。  濃い紫色の長い髪を、淡いピンク色のリボンで上の方に纏めて結ばれており、顔の横からは耳が隠れるくらいの量の軽くウェーブ掛かった揉み上げを垂らしている。  暗くて判断しにくいが、瞳はつり目であり、美しいピンクゴールドで輝いていた。  体つきはスレンダー。背の高さは、シェイドより少し低い程度である。 「あ……あなたが?」  シェイドは想像していたイメージと違い、少々困惑していた。 「そうよ? アタシが怪盗エリアよ。貴方達は……見た所ハンターかしら? ……どいてもらえないかしら? アタシにはアレが必要なのよ」 「……お断りします」  シェイドは甘ったるい声を放つエリアのお願いを断固拒否した。
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