四話「怪盗」

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 一方その頃。 「正面突破は初めてだけど……なんとかなるわよね」  エリアはトルネオ宅の前に立ち、鋼鉄の刃が三本装着された――言うなれば、猛禽類の鈎爪といったところだろうか。  そういった武器を手に装着し、玄関をこじ開けようとした時―― 「!」  エリアの真横から勢いよく何者かの槍がぶつかりそうになる。エリアは咄嗟にそれを爪で抑えた。  ぶつかってきたのは、槍を持ったクリマであった。  クリマは単独でここに張っていたらしい。この状況を見越して…… 「あ、貴女も……上の方々のお友達かしら?」 「そうよ。なら、私の目的もわかるわよね」  エリアは爪で抑えていた槍を押し返し、後退りをする。  クリマは槍を手中で回転させてから振り下ろし、身構える。
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