四話「怪盗」

22/27
前へ
/318ページ
次へ
「さぁ……本気で」 「エリアっ――!」 「!」  エリアとクリマは、気の抜けた声の方へ振り向く。息を切らしながら走ってきた二人が、やっと辿り着いたようだ。 「――……これは、ちょっ?とアタシの不利ね。しょうがないなぁ、今回は諦めるわ」  そう言い残すと、エリアはいきなり姿を消す。 「!? ど、何処に行ったんだ?」 「上だ! シェイド!」  三人は直ぐ様空を見る。エリアは高々と跳躍をして、一番高い建物の屋根に華麗に着地をした。 「今日は大人しく退散するわ。また何処かで会いましょうね! ハンターさん達」  エリアは公言通りトルネオ宅には入らず、来た道を戻るように屋根の上を軽々とジャンプしながら、闇の中へと消えていった――
/318ページ

最初のコメントを投稿しよう!

480人が本棚に入れています
本棚に追加