四話「怪盗」

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    * * * 「おぅ! おかえり、どうだったんだぃ?」  ハンターギルドの扉を開けると、カウンターでダンは新聞を読みながら、三人の帰りを待っていてくれたようだ。 「えっと……それが」  シェイドはエリアと会ってからの経緯をダンに詳しく話した。 「そうか……でも被害が出なかっただけでも高得点だぞ!」 「えっ! 本当ですか!?」 「今までのハンター達は話はおろか、追い付く事すら出来ずに、指をくわえながら目の前で盗まれるなんてザラだったからな――。全額とは言えんが、金だ」  ダンはカウンターの上に、金が半分入った麻の袋を音を発てて置く。 「後、宿がないんだったら、狭いが二階の部屋を使うといい」 「わぁ! ありがとうございます」 「おぅ! 野郎二人、ちゃんとおなごをベッドに寝かしてやるんだぞ?」  ダンは、グローとシェイドの肩を景気良く叩き、ニヤニヤしながら二人に促した。 「わ、わかってますよ! な、グロー」 「あ、あぁ……」
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