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「強くないといけない理由があるから」
「……ん?」
グローは一瞬、クリマの言葉の意味を理解出来なかった。
だが、魔属を倒すための力として強くないといけないのかとグローは納得する。
「……俺らだって、ただ守られてるだけじゃねぇからな? 強くなってやる」
「……グロー」
「まっ、孤児院のガキ達を……ルクス村の連中を守れるくらいは、強くなれたと思うけどな」
グローは悪戯っ子のように歯を見せながら笑う。クリマはそれを見て、笑顔を返す。
「……そろそろ寝ようぜ、明日は山を昇るんだからな」
「そうね、私も寝るわ」
グローは床に寝転がり毛布を自分の身体に被せ、クリマはベッドに横たわり布団を顔にまで掛ける。
「おやすみなさい、グロー」
「……おやすみ」
二人は目を瞑り、ゆっくりと寝息を発て始める――
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