五話「封印」

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 三人が次に目を開けた時には、普通に起きるには早い時間ではあったが、既にお天道様が顔を覗かしていた。  窓からうっすらと射し込む陽射しでようやく三人は身体を起こし、伸びをする。  それぞれ出る支度をし、ギルドに続く階段を降りてくると、既にダンは起きていたらしく、忙しなくギルドを開ける準備をしていた。その日に緊急で入った依頼などのチェック、依頼リストなどをテーブルに置いたり……鍛え抜かれた筋肉質な体にはジットリと汗を掻いていた。 「おぅ、おはよう。よく寝れたか?」 「おはようございます! はい!」  シェイドがダンの言葉に元気よく返す。するとダンは三人を見つめ、 「もう行くのか?」  と、額にじっとりと掻いた汗を拭いながら囁いた。 「はい。一日でも早く村に帰らないといけないんで……」  シェイドは申し訳なさそうに笑顔で返す。
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