五話「封印」

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「そうか……あの山は『霊峰』と呼ばれる気高き山だ。何が起きても不思議ではない」  ダンは窓の外にある、山の頂上を見つめ、三人に諭す。 「霊、峰……」  それを聞いたグローが、真剣な面持ちで生唾を飲み込む。 「そうだ! あの山に行くなら、ついでにこの依頼を任しても良いか?」  カウンター越しに近くにいたクリマに一枚のリストを手渡す。  クリマはそれを受け取り、二人に見えるように持ちながら文字を見る。シェイドは、その文字を子供のように、目線で追いながら読み出した。 「【ある洞窟の調査】……ですか?」 「あぁ、何百年も昔から残されている洞窟があるらしいんだがな、山の中腹辺り、しかも奥まで行かんといけないからハンター達が手をつけてくれないんだ。しかも、腕利きのヤツ等はみんな出払っている……報告はいつでも良いからやってくれないか?」  ダンはカウンターに肘をついて、ニヤリと笑いながら三人に促した。
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