五話「封印」

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「こ、これは……い、嫌! そんな事より、二人共こっちに来てみろよ!」  両手で焦りながらズボンのボタンをつけ、グローは二人を引き連れ、草むらの奥の方へと誘導する。  山道から少しずつ離れていく。グローについてく二人の間に不安が過った。 「ほら! これだっ!」  と、そう言いながら指差すグロー。その先には、山の断面に大きな洞穴があった。 「ここ、は……」  クリマはその洞窟を見て、ぽつりと呟く。 「えっ、……これっ」 「リストに載っていた洞窟は多分ここよ。あまり広くはない筈、調査もすぐ終わると思うわ」  クリマは二人の先頭切ってその洞穴に向かって歩き出す。  何の躊躇もなく進むクリマにグローとシェイドは戸惑いながらも、後を追った。
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