五話「封印」

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 洞穴の入り口に立つ三人。奥の方から冷たい風がヒュウと音を立てながら外へと流れ出している。薄暗く、何があるのかわからない。 「“輝き燃ゆる炎の神よ、我が手によって形と化せ……ルメン”」  クリマの手の平から、赤白い光を放つ小さな珠が生まれた。それは両手で覆い被せば隠れる程の大きさの光の珠である。それを空中に浮かし、周りを照らす。  照らし出された洞窟内は何の変鉄もない、普通の洞窟であった。 「行きましょう」  クリマは小さく掛け声をし、ゆっくりと歩き出した。その後を追いかけるように、二人は足元に気を付けながら小走りで追った。  所々で雫が地面に落ちているようで、軽い音が洞窟内に響き渡る。 「奥は何だか冷えるね……」  シェイドの小声でさえも洞窟内に響く。そんなに広くはないとクリマは言っていたが、まだまだ奥がありそうな雰囲気を出している。
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