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「山に獣が居ない分、ここには居たりしてな!」
「グロー! 冗談はやめてくれっ」
シェイドは、冗談を言いながら嫌な笑いをするグローに叱正した。
「はは、ごめんごめ……」
グローの口が止まった。――悪い冗談が現実となり目の前に現れてしまったようだ。
人間の上半身くらいの大きさに進化した蜘蛛数匹が、三人の目の前に立ちはだかった。
「……く、も……」
「しかも、異様にデカイような気がするぜ」
「四の五の言わないの! 来るわ!」
そう三人が御託を並べていると、蜘蛛は三人に向かって、糸を吐きながら飛び掛かって来る!
シェイドは鞘から剣を抜き、グローは拳を顔の前で構える。
「二人共っ! 武器を私に向けて!」
「りょ、了解!」
「わかったぜ!」
二人は狭い通路で必死に蜘蛛の糸を避けながら、クリマに武器を向ける。
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