480人が本棚に入れています
本棚に追加
/318ページ
クリマは手を前に突き出しながら、目を瞑り始める。
「“輝き燃ゆる炎の神よ 我に更なる力を与えよ……ルベオ”」
詠唱が終わると同時にシェイドの剣の剣先、グローの手の甲が赤く光出した。
「武器に火属性を付加さしたわ!」
「おっ! ありがたい!」
そう呟き、グローは後方から飛び掛かってきた蜘蛛に正拳突きを繰り出す。蜘蛛の急所に当たったらしく、体液を口から吐きながら地面に落ち、痛み悶えるように痙攣を起こす。
すると蜘蛛の体が発火した。これこそが火属性の付加の威力であった。
だがその瞬間、グローの手の甲から赤い光が消える。シェイドの武器も同様に、蜘蛛に一撃を喰らわした瞬間、光が消えてしまった。
「!」
クリマはそんな二人の武器の状態を見て、周りを伺う。そして何かに気付いたらしく、クリマは槍を手中に召還させ、身構える。
最初のコメントを投稿しよう!