五話「封印」

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「――クリマ?」  てっきりクリマは魔法を使うと思ったシェイドはクリマに視線を移す。 「……この狭い場所で魔法は使えないわ。こっちにまで被害が来る。だから強行突破しましょう!」  クリマは低い態勢で槍を突き出し、疾走していき、次々と襲い来る蜘蛛達を薙ぎ払いながら、クリマは奥へと駆けていく。 「僕達も行くよ!」 「おう! 合点だ!」  二人はクリマが倒し損ねた蜘蛛に止めを刺しながら、後を追う。  ――辺りが急に明るくなり、足元がよく見えるようになった。  そして明かりと共に目に入ったのは、行き止まりになっていた広場である。 「ここ、は?」  シェイドは辺りを見渡すと、そこには洞窟には似つかわしくない物が有る事に気づく。クリマはそれを見つめ、立ち尽くしていた。  それを既に到達していたクリマの横に立ち、シェイドも見上げる。
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