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『声紋認証。コードネーム「WS」封印を解除します』
機械音声がそう鳴ると、二つのガラス菅の中の液体が急激に減っていく。そして全ての液体が無くなった時、ガラス菅が真ん中から縦に割れ扉のように綺麗に開く。
すると中の人間がそっと目を開き、こちらを見つめる。
「ク、リマ……?」
髪と同じぐらい深い緑色の大きな瞳をした少女が、クリマの名前をそっと呟く。クリマは自分の名を呼ばれた事に驚きもなく、その少女を見つめ続けた。
「……! クリマ――!! クリマでし、クリマでし、クリマでしよ!! シャンテー!」
「……聞こえている」
少女はクリクリな目を輝かせながら、白いワンピースの裾を翻しぴょんとクリマに抱きついた。
その横からシャンテと呼ばれた長身の男が、黒いマントを羽織って、クリマに近づいていく。
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