五話「封印」

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 ――――  シェイド達の視界が一気に明るくなる。どうやら洞穴を抜け出したらしく、あまりにも眩しくシェイドはつい手で光を遮る。追いかけてきていた蜘蛛たちも光に弱いのか、穴から出てこれず渋々奥へと戻っていった。 「でしー! ひさしぶりのたいようでしね」 「……クリマ。説明してくれ。あの二人は誰だよ」  依然として不機嫌な表情を崩さないグローが再度クリマに詰め寄る。  クリマは一瞬表情を曇らせ、目を附せる。だが、直ぐ様目線をグローに向け、 「……ソフィア、シャンテさん、二人に挨拶を」 「でし? ソフィアはソフィアでしよ」  先程は蜘蛛などの襲来で確認出来てなかったが、オデコに逆三角形のマークがついていて、ほんのり黄色く発光しているのがわかる。 「……シャンテ・チャルクだ」  黒いローブ、黒いズボン……シャンテの服は全体的に黒一色で纏めている。両手にも白い手袋がはめられ、素肌を晒している部分が見当たらない。青い目に右目には金色のモノクルを付け、額には見た事がない文字が描かれていた。
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