五話「封印」

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(ん? シャンテ・チャルク?)  グローは昔読んだ本の著者の名前を、頭に巡らせる。そう、最近タイトルを口にした記憶がある。 「聖神話の……著者か?」 「……えっ!」  グローが口に出した『聖神話』。昔から何処の家でも読まれていた童話の本。  だが聖神話は、数百年前に書かれたと院長に聞かされていたシェイドとグローは顔をしかめた。  その数百年も前に書かれた本の著者がこうやって目の前にいるなんて……明らかにおかしすぎる。年も見た感じ二十歳そこそこであろう。  シェイドとグローは疑いの眼差しで、シャンテを見つめる。シャンテもその目線に直ぐ様気づき、口を開く。 「我は……」 「シャンテはソフィアをつくってくれたひとでし!」
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