五話「封印」

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 思いがけないシェイドの指摘に、クリマは一瞬口ごもる。それを見たシャンテはシェイドを見つめ返しながら、 「あの洞窟を探索していて、色々あって彼処で永い眠りについた。それだけだ」 「……そう、なんですか」  濃い蒼色したシャンテの瞳は冷ややかで、まるで突き放されているかのような感覚に陥ったシェイドとグロー。  まだ聞きたい事があったハズなのに、口を噤んでしまう。  ――これ以上は聞いてはいけない気がしたからだ―― 「――さぁ紹介も終わったし、まずは山を越えないとね!」  クリマは皆に号令を掛けて、先頭切って山を登り始める。  そんなクリマの後をシャンテが追い掛けて来て、横に並ぶ。 「少女、あの事をあいつらに黙っているのか」 「……」  シャンテの問いに、クリマは表情を曇らせながら無言で返す。
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