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思いがけないシェイドの指摘に、クリマは一瞬口ごもる。それを見たシャンテはシェイドを見つめ返しながら、
「あの洞窟を探索していて、色々あって彼処で永い眠りについた。それだけだ」
「……そう、なんですか」
濃い蒼色したシャンテの瞳は冷ややかで、まるで突き放されているかのような感覚に陥ったシェイドとグロー。
まだ聞きたい事があったハズなのに、口を噤んでしまう。
――これ以上は聞いてはいけない気がしたからだ――
「――さぁ紹介も終わったし、まずは山を越えないとね!」
クリマは皆に号令を掛けて、先頭切って山を登り始める。
そんなクリマの後をシャンテが追い掛けて来て、横に並ぶ。
「少女、あの事をあいつらに黙っているのか」
「……」
シャンテの問いに、クリマは表情を曇らせながら無言で返す。
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