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「でも近々バレるぞ。バンダナも疑っている」
「わかってます……けど……」
クリマは口をそっと開き、後ろをゆっくりと歩くシェイドとグローに目線を移す。
「けど、今は……まだ」
二人を見つめるクリマの瞳には、心なしか涙が溜まっているようにも見えた。
――シェイドは、数歩前を歩くクリマを見ずに、一人考え込んでいた。
(クリマの謎が増えてしまった――)
シャンテとソフィアはクリマを知っている。いや、お互いを知っている。
だがシャンテはあの聖神話を書いた本人。そんな人とクリマは知り合い。
『魔法』という不思議な力を使いこなし、並外れた身体能力――
クリマは本当は一体何者なんだ?
「――ま、成り行きに任せるか」
「は?」
近くで歩いていたグローはいきなりのシェイドの言葉に呆気を取られた。
「はは! 何でもないよ!」
シェイドの笑い声が森のざわめきの中に溶けていった――
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