六話「クリマ」

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 シェイド達はやっと山の中腹を越え、ゆっくりと下りながら楽しそうに会話をしている。 「でし! シェイド、それほんとうでしか?」 「うん、こ~んな大きいハンバーグとかあるんだよ。ソフィア食べた事ない?」 「ないでし! それはたべてみたいでし!」  シェイドとソフィアは食べ物の話で盛り上がりながら、坂をゆっくりと下っていく。  そのすぐ後ろにグローとクリマ、シャンテが後に続くように地図を見ながら下っていた。 「この山を越えた先には、デロスって町があるみたいだぜ」 「本当だわ。よし、後ちょっと頑張りましょ」  そう気合いを入れ、クリマは先を歩いていく。 「つり目」 「――は?」  シャンテはグローを「つり目」と呼び話し掛けてきたが、まだシャンテとソフィアに慣れていないグローは凄むように、シャンテの方に振り向く。
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