六話「クリマ」

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「少女は――何も貴様らには話してはいないのか? 少女の事を」 「……? 「何も」ってか……魔法や魔属の話は聞いたけど?」 (魔法などの話はしてたか……だが、少女の事がバレるのも時間の問題だな)  シャンテは口を閉じてしまう。質問の意図がわからず、グローは首を傾げてしまった。 「それが、なんだよ」 「いや――……」  そう言い残し、シャンテはグローを置いてさっさと歩いていってしまった。 「……何なんだよ」  呟くように言い、グローは後をゆっくりと追う。  だが、そのシャンテの質問が気になってしまったグロー。 (言われてみると、俺らクリマ自身の話とかあまり聞いた事ないなぁー。まぁ出会ってまだそんなに経ってないしな……)  そう自分に言い聞かしながら、ゆっくりと歩く。
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