六話「クリマ」

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 信仰の町 デロス。 「おぉーまちでしまちでし……? なんだか「しっそ」でしね」  反対の麓にあったプロウスの街とは雰囲気が違い、建物も木材などで建てられていて、建物の数も少なく何処と無く「質素」な印象を受ける。 「武器屋もない、か。僕の剣そろそろ打ち直してもらおうと思ったのに……」  シェイドは腰から吊る下げた剣の鞘に軽く手を触れる。 「んー? 何だありゃ」  最後尾をくっついてきたグローはある建物が目に入り、指を差す。  すると屋根には何やら十字架のようなモノが飾られており、周りの建物より一際大きい。 「ここは――」 「ここは神への信仰が厚い町。この大陸では珍しい宗教が勧められている。因みにあれは教会だな。あそこで礼拝などを済ますんだろう」
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