新たなスタート

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今日は記念すべき社会人としての第一歩となる入社式だ。遅刻はまずい。 すぐにスーツを探すが、昨日の飲み会の後すぐ寝たせいか、スーツが見当たらない。 「おかんが持ってったんかな?」とトイレに行くついでに台所を覗いた。 母親がせわしなく朝ごはんを作っている。 「おはよう」と声をかけると母親はいつも通りの笑顔で「おはよう」と返してきた。 「スーツどこにある?」 「そこにかかってるわ」 居間を見るとそこには先に朝ごはんを食べている兄貴の近くにハンガーでかけられていた。 「おはよう」 「おぅ」 いつも仏頂面の兄貴は先に社会人になってもう4年目だ。 某企業のエリートサラリーマンである兄貴、しかし、この時間に朝ごはんを食べているのに驚いた。 なぜなら、いつもこの時間には駅に着いて電車に乗っている時間なのに寝癖をばっちり決めてパジャマで平然と朝ごはんを食べているからである。
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