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「失望」
恐らく私は
親の顔を知らない
だが
どくどくと流れる自分の鼓動によって
彼等にも人の血が流れていたのだと知る
恐らく私は
親の愛を覚えていない
だが
記憶にない古く深い傷を触ることによって
愛など迷信だったのだと知る
私は卑怯者だ
恐らくそれは
父親に似たのだろう
私は臆病者だ
恐らくそれは
母親に似たのだろう
こんな自分の欠点を
親のせいにする
恐らくそれは
顔も知らぬ
両親に似たのだろう
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