プロローグ

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――2001年4月 「メーーーイ!!調べたよぉ!!」 桜の花びらを引き連れ、朝のおはようも言わずに、大声で教室に入ってきたのは前の席のユウチャン(中越ユウコ)。 出席順で前後になったことですぐに仲良くなった。 「ユウチャン、みんな注目しちゃってるから…」 私は小声でユウチャンに話しかけたが、 「だって早く言いたいから!」 ユウチャンは声のトーンこそ落ち着いたが、興奮はまだ続いていた。 「新橋さん、何か中越さんに調べてもらったの?」 他の席の女の子達がニッコリと近寄ってくる。 「えっ!?…うん…まぁ…たいしたことじゃないけどね!」 私はユウチャンが私に言いたい内容が想像出来ていたので他の人には聞かれたくなかった。
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