プロローグ

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プロローグ

「うおおおおおおおおおおおお」 俺は走っていた。 そう、学校の予鈴は既に鳴った後なのだが、まだ校内にも入っていない・・・ つまり、チコーク(遅刻)しそうなのである。 「ほああああああああああ」 変な叫びを上げながら全力ダッシュで校門を目指していた。 「よし!このタイムなら何とか間に合いそうだ・・・」 走りながら時計を確認し、曲がれば校門が見える角を曲がる。 「門、閉めまーす」 嫌がらせ魔女がゴーレムを使って門を閉めようとしていた。 「シット!!」(くそ!!) かまわず門の隙間目指してダッシュする。 (げ、挟まる・・・!!) 間に合うか!!?    ガコーン!! 「あ、あれ??」 門は閉まりきらずに俺を無事に通した。 「??」 振り返ると、片手で青いロン毛の男が門を止めていた。 「おいおい・・・、挟まって誰か怪我でもしたらどうすんだコラ?」 その馴染みの顔をみて言った。 「ウィン!」 「お、誰かと思えばお前かぁ。おはよう」 彼は《ウィン・ワン》 龍人族(りゅうじんぞく)で、学園で最初に仲良くなった不良ぽい親友だ。 「失礼な!!ちゃんとスポンジ魔法使って怪我人が出ないようにしてます!!」 門を閉めようとしてた意地悪魔女がブーブー言ってるが無視して、二人で走って教室を目指す。 「だいぶ辛そうだけど、おぶってやろーか?」 「いらんわ!気色悪い!!」 こっちは人間族だから辛いのだが、彼は呼吸も乱さずに並走しているのでちょっとムカつく。 ドドドドド、ガラガラー 階段を駆け上がり、教室のドアを開けて何とか間に合った。 「ふいー、間に合った・・・ぜいぜい」 「おいおい、早く席に着こうぜ」 「おう」 ガラララ 「はーい、皆おはよー」 席に着くと同時に担任の都(みやこ)先生が入ってくる。 《神流 都》 (かんな みやこ) 短めの髪で白いスーツの似合う、我らクラスの担任である。 男子は勿論、女子生徒にも人気の美人教師。 噂では、手を出そうとした男性教師が影の親衛隊によって辞めさせられた事があるらしい。 人間族なのにチャーム(魅了の魔法)でも使ってるんじゃないか? 「きりーつ、礼、着席」 「はい、えーと今日の連絡はとくに無いわ。 皆、しっかり勉学に励んでね♪」 ガラガラ 適当にホームルームを済まして出て行った。
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