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ガシャガシャ
「テアトロ騎士団だ!」
鎧を着た数人の連中が、さっきこれの壁穴からドタドタ入ってきた。
《テアトロ騎士団》
テアトロ学園の平和を守る正義の騎士団・・・・というか、風紀委員である。
委員ではあるが、部活動としての一面も持っているので正確に言うと[テアトロ学園風紀警備部騎士団]とかになるのだが、語呂が悪い!分かりにくい!などの理由でテアトロ騎士団にしたらしい。
「む・・・、暴れていたゴーレムはコイツか・・・既に破壊されているとはな。数人で周囲を封鎖して鑑識班を呼べ、残った者は現場の者の聴取だ。」
隊長らしき女の人が周りの人に指示を出している
「ん?あれはルミアじゃないか」
ウィンが隊長に話しかけに行った。
「よう!隊長さん、遅いじゃないの」
「ん?お前はウィンじゃないか・・・ああ、そうか、お前の授業に乱入したのか」
隊長さんはウィンとは知り合いらしく、親しげに話し始めた。
「で、これを破壊したのはお前か?」
「ああ。襲って来たので壊したんだが・・・まずかったか?」
「いや、よくやってくれた。このまま暴走していたら怪我人も出ていただろうからな」
「た、隊長!!」
騎士団の隊員が叫んだ。
ズガガガガ・・・・
破壊されたゴーレムが瞬時に組み上がり、活動を再開した。
「ふむ、再構築のスキルを持っていたか・・・」
「おいおい、隊長さん。ボーと見てる場合じゃないぜ」
「そうだな。皆、離れよ!」
そう言うと隊長さんがゴーレム目掛け走って行き、腰のバスターソードを抜いて構える。
「(我が剣は豪雨の如く汝を裂く)」
隊長さんが呪文を唱えると、その剣が幾重にも重なって見えた。
「はあああああ!!」
剣を振るうと、その剣がオーロラのような色を放ちゴーレムの体を何度もなぞっていった。
それはオーケストラの指揮者のように優雅であり、素早い動きで見とれる美しさがあった。
バラバラバラ・・・・
ゴーレムがバラバラになって崩れていく。
「ふむ・・・コアストーンを使っての強化か」
隊長さんの剣先には宝石のような物が載っていた。
「てことは、意図的に組んだ戦闘用のゴーレムか!?」
ウィンが驚いて叫んだ。
「ああ、そういう事になるな。これはもう、悪戯の域を超えている」
隊長さんが顔をしかめながら言った。
「えーと、どういう事でしょうか?」
二人に説明を求めてみた。
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