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眼鏡を掛けたその子は、黒髪と白髪が別れた綺麗な髪色をしており、それは毛並みのように美しく鮮やかだった。
「ん?鑑識のトップがわざわざ来るとはな…息抜きか?」
「ああ、ルミアよ。ずっと研究室にこもっていると発狂しそうになるぞ。さてと、大まかな状況は分かっているので、ちゃっちゃと調査始めるぞ」
そう言って、その子は持っていた本を開くと、そのページに手を突っ込み小ビンや試験管など、科学実験でもするかのような品を次々に出した。
「ゴーレムの破片をと、」
そう言って薬品の入った試験管に破片を入れた
「ん~、生物的な素材は使ってないか…」
「ああ、そうそう。これがゴーレムのコアらしき物だ」
ルミアがその子に、さっきゴーレムから剣先で奪った宝石を渡した。
「…ふむ、これはボトルストーンだな。魔力や魔術を入れて置く容器だ。しかし…、なかなかの高級品だぞ?ブランドの腕時計が2、3個買える」
「む…、金を使いすぎだな」
ルミアさんが鑑識少女と話し込み始めたので、声を掛けてさっさと帰ろうとすると、少女の方から声を掛けらてきた。
「ん?君は…ふむ、面白い匂いをしているな」
トテトテとこちらにやって来て、眼鏡を直しながら俺の足先から頭を眺め、
「ふむ、うちに来ないか?」
「へ?」
「いや、すまん。面白そう…じゃなくて、まず自己紹介だな」
鑑識少女は身なりを整えて、握手の為に手を差し出して来た。
「私はの名は《ニクス・ ウプ》種族はウルフマンで、科学魔法研究課のチーフだ。」
手を出して握手を交わし、彼女がふと思い出したように金色のメダルを出して見せた。
「ちなみに私は、ゴールドクラス…あー、学園発展研究在学者だから学年は無いからな。用があるときは研究室に来てくれ。」
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